展覧会概要

タイトル: 1980年に 欧州建物紀行

作家名: 北井 一夫

会場

G&S 根雨

大阪府豊中市服部元町1-6-1-1F/阪急宝塚線 服部天神駅(梅田から11分)下車 徒歩1分

会期

2022年3月11日(金)〜5月24日(火)

休廊日

水曜・木曜

開廊時間

13:00〜19:00

入場料

無料、作品販売あり

展覧会紹介

 漠然とした不安は、時として大きな壁となることがある。「村へ」「そして村へ」を撮り終えて、作家の眼前には、空虚な壁があったのかもしれない。1979〜80年にかけて2回、欧州を旅して建物を写した。1920〜30年代の表現主義の建物で、アサヒグラフの連載と、一冊の写真集になった。発表当時、この異相とされた作品群はあまり評価されなかった。

 時を経て、写真の束は、光り始めた。新規の目線と、彼独特の不動の視座が、欧州での日乗を不滅の作品群にした。写真というメディアの持つ、第一義の力、すなわち記録と記憶の相乗効果が、眼でたどる欧州紀行、なつかしき日記を形成し始めたのだ。荷風の作品『断腸亭日乗』を、文字を写真に置き換えて表象したような、独特の風合いを感じさせる。1980年に、存続した建物を土台とし、その時代をまたいでいる人々、風俗、街並み、日々の連鎖が、北井一夫の真摯な眼の動きとともに、伝わってくる。

石井仁志(20世紀メディア評論・プロデューサーディレクター G&S根雨)

関連展示

豊中市立市民ギャラリー特別企画|現在・過去・未来「浪花 北摂 写真散歩」

*北井一夫さんの「新世界物語」が展示されます

​会期

2022年3月15日(火)〜3月27日(日)

会場

豊中市立市民ギャラリー

*詳細は以下のページをご覧ください
https://toyonaka.utusu.net

 

トークイベント

開催日時

2022年3月19日(土) 15:00~16:30 *終了後、サイン会、歓談の夕開催

出席者

北井一夫、石井仁志(G&S 根雨 プロデューサー)

参加費

2,000円(ドリンク付、要予約)

プロフィール

北井一夫(1944-)

1944年 満州鞍山生まれ。日本大学芸術学部写真学科中退。『三里塚』『村へ』『いつか見た風景』『フナバシストーリー』『1990年代北京』などドキュメンタリー的な写真を撮影、発表してきた。1972年、第22回日本写真協会新人賞。76年、第1回木村伊兵衛写真賞。2013年、日本写真協会作家賞を受賞。出版物は膨大、2020年10月に平凡社より『過激派の時代』も発刊。個展も多数開催。